2010-01-01から1年間の記事一覧

底辺に流れるもの ジェーン・エア

一見すると様々な恋愛模様を描いているようだが、実はピューリタニズムがテーマである。 主人公のジェーンは不幸と虐待という過酷な運命に晒されながらも、気がふれたり、心根が捻じ曲がったりしなかったのは神を信じていたからではないか。 信じるものは救…

書簡集

佐伯彰一「読書という悪徳」という本に手紙が文学になるときという章があった。 なるほどと思い、「漱石書簡集」を購入。 「三島由紀夫レター教室」という本もあった。往復書間の形式を借りた小説でなかなか面白い。 今、アンリ・トロワイア「ツゥルゲーネフ…

シャルビューク夫人の肖像について

この作品は色々な書物とリンクしている。 気づいたかぎりでは以下のようになる。ギリシア・ローマ神話から セイレーン ゴルゴン ヤヌス キュメのシビル ヤヌス ヴェルギリウスのアエイーネスから カロン オデュッセイアから プロテウス 千夜一夜物語から ア…